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クロミフェンとは~用途や使用方法・副作用など

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クロミフェンとは~用途や使用方法・副作用など

数ある不妊治療の中でも、最もオーソドックスで、最も多くの人に勧められるのが「クロミフェン」という薬剤を使った「クロミフェン療法」だと言って過言ではないでしょう。タイミング法から体外受精まで、殆どの不妊治療に用いられています。

それもそのはず、クロミフェンとは、「選択的エストロゲン受容体調節薬」という何とも難しそうな薬ですが、速い話、「排卵誘発剤」の一種です。それも、最も有名な排卵誘発剤、「クロミッド」の事なのです。

クロミッドと聞けば、一度でも不妊治療について調べた事のある方なら、すぐに“ああ!”と思われる事でしょう。ゆえに、正しく理解し、その効果効能とともに、使い方や副作用もきちんと把握しておく必要があると言えそうです。

『クロミフェン』とは?

厳密に言えば、「クロミフェン」というのは、風邪薬や頭痛薬といった感覚で、選択的エストロゲン受容体調節薬の一つである特定のメカニズムを持った排卵誘発剤の総称です。正式名称は「クエン酸クロミフェン」、医療現場では“CC”と呼ばれています。

そして、クロミッド」というのは、パブロンやバファリンといった商品名に該当する呼称。風邪薬としてパブロン、頭痛薬としてバファリンがあるように、クエン酸クロミフェンとして、「フェミロン」・「セロフェン」・「オリフェン」などがあります。クロミッドは富士製薬工業が製造販売しているCCです。

いずれも主成分は「クロミフェンクエン酸塩」という物質で、女性ホルモンの代表格である卵胞ホルモン「エストロゲン」にとてもよく似た構造を持つ薬剤です。そのため、比較的穏やかに作用し、副作用が少ないところから、不妊治療の主力となっている訳です。

そんなクロミフェンは、アメリカで開発され、1960年代から使用されていましたが、元々は不妊治療に率先して用いられていた訳ではありません。もっぱら希発月経を中心に、生理不順の治療薬として活用されていました。

しかし、服用中に妊娠する人が続出したため、不妊に効果を発揮するという認知度が高まり、今では、ベビ待ちを前提とした無排卵月経の治療にも使用されています。

また、これは案外知られていない事ですが、クロミフェン療法を実施すると、妊娠しやすい体かどうかという事が分かるのです。なんと、十分妊娠可能な身体であると、クロミフェンを服用する事により、骨量が増加し、CT検査をすれば明確になるというのですからビックリでしょう。しかし、この用途での使用は1989年に特許取得もしていて、紛れもない事実です。



『クロミフェン』の使い方

単なる排卵誘発剤ではない『クロミフェン』には、様々な使い道と使い方があります。もっぱら、排卵障害が要因と思われる不妊治療にばかり用いられているように見えますが、実際にはその限りではありません。

先にも書いた通り、元々は月経不順の治療のための薬で、今でも、独身で妊娠をまだ希望していない人に出される事はしばしばです。ただし、日本で承認されている用途は、排卵障害に基づく不妊症の排卵誘発となっているため、あくまでも妊娠を望む人への投与となっています。妊娠を望まない人に対しては、同じ経口薬の「ピル」が用いられる事が一般的でしょう。

というのも、クロミフェンには長期投与により、頸管粘液が薄くなって精子が侵入しにくくなる、子宮内膜が薄くなって受精卵が着床しにくくなるといった副作用が危惧されるからです。また、妊娠経験がなく、治療効果があまり出ないと、逆に卵巣腫瘍を発症してしまう事もあります。

こうした副作用は、いざ、ベビ待ちするとなった時、明らかに足を引っ張る大きな大きなリスクです。そこで、不妊治療以外では使用しないようにしているものと見られます。

しかし、その一方で、今すぐにでも赤ちゃんが欲しいという人には効果的だと言えます。ある程度使用し、結果が出なければ、さらに協力な排卵誘発剤に移行する事になるため、先のような長期投与によるリスクは、さほど心配する必要がないのです。

そこで、無排卵による不妊に対しては、適用可能な限り使用されます。実際、排卵誘発剤の中でも、最も副作用が少なく、安全性も高いところから、初めての薬物療法としては最適だと言えるでしょう。

また、私たち人間は月に1個の卵子をとことん成熟させ、排卵させるのが基本スタイルですが、さらに2つ・3つと排卵すれば、受精卵が出来る確率は上がる訳です。そのため、自然排卵のある人でも、タイミング法や人工授精・体外受精に際しては、クロミフェンを使用する事がよくあります。と言うより、不妊治療においては、それが一般的だと言っていいでしょう。

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クロミフェン療法の流れと副作用

クロミフェン療法はもちろん、クロミフェンの投与が主です。ただし、大半は、それだけではありません。特に人工授精や体外受精においては、確実に排卵して初めて成功するもので、これはタイミング法にも当てはまる事です。

しかし、クロミフェンそのものの作用は、あくまでも卵胞を育てる卵胞ホルモン「エストロゲン」の分泌を促すもので、排卵を促す“LH”こと「黄体形成ホルモン」の分泌を促すものではないのです。そのため、卵胞は育っても、排卵しない事はしばしばで、放置しておくと、やっぱり無排卵。

しかも、成熟しかけた卵胞が放置されるという事で、後に「空砲」と呼ばれる卵子が取り出せない卵胞となり、それが蓄積された「多嚢胞性卵巣症候群」になる可能性もあります。そこで、クロミフェンで卵胞を成熟させた後、今度はLHの分泌を促す作用をもつ「HCG注射」を打ち、排卵させるというのが一般的です。

という事で、クロミフェン療法と言えば、整理開始5日目からクロミフェンを1日規定量ずつ5日間飲むのが最初のステップ。次に、生理開始10日目ごろから卵胞の発育状況を超音波で見るとともに、血中のLH濃度を測定します。

そして、卵胞が十分育っているのにも拘わらず、LHが不足していればHCG注射を打ち、排卵を促すところまでがオーソドックスな流れ。当然、その過程で、徐々に肉体的負担は大きくなり、副作用のリスクも大きくなります。

確かに、クロミフェン自体は、重篤な副作用をもたらす確率は低くても、多のホルモン剤と併用する事により、薬物の投与量は増加します。特に卵巣への刺激が強まり、“OHSS”こと「卵巣過剰刺激症候群」のリスクが高まるのです。

取り分け、1日2錠、100mg以上服用している人は要注意で、10人に1人がOHSSを発症すると言われています。また、まれにですが、視野狭窄などの視力障害が現れる事があり、その場合には、直ちに使用が中止される事になるでしょう。

たとえ、ここまで重篤な事態にならなくても、吐き気やめまい、のぼせや下腹部の張り、乳房痛などを感じる人は少なくありません。さらに、鬱症状になる人も見かけますが、これは単にクロミフェンの副作用だけでなく、長期にわたる不妊治療に対する疲労や不安が引き金になっている事が考えられます。

そしてもう一つ、薬が効けば効くほど、優良な卵子の数は増え、妊娠の確率が上がる訳ですが、それと平行して、多胎妊娠の確率も上がります。今は規定により、体外受精で一度に複数個の受精卵を移植する事はありませんが、タイミング法で成立した自然妊娠や人工授精においては、双子や三つ子が生まれる可能性も十二分にあるという事です。

という事で、クロミフェン療法の一つの目安としては、薬は増やしても3倍の1日3錠150mgまで。実施期間も最長6週間までで、結果が出なければ、一度検討し直してみる事も大事なのではないでしょうか?



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