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不妊治療に使用されるグリコランとは?メトフォルミンやグリスリンとの違い

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不妊治療に使用されるグリコランとは?メトフォルミンやグリスリンとの違い




排卵しなければ受精卵は出来ません。受精卵が出来なければ妊娠は成立しません。という事で、卵巣機能に問題のある排卵障害は、間違いなく不妊症の要因となります。

ですから、自然妊娠を希望するのであれば、何が何でも排卵障害を克服しなければならない訳ですが、近頃、そんな排卵障害治療の一環として、「グリコラン」という薬の投与を進められる人が増えていると言います。でも、ベビ待ちの身に薬物療法は不安が否めないでしょう。

しかも、グリコランという薬は、糖尿病の治療薬です。そのため、不妊との関わりがよく分からず、手を出していいものなのかどうなのか、戸惑われる方が多いようなのです。

そこで今回は、どんな人がグリコランの投与を薦められるのか? グリコランとは、どんなお薬なのかをご紹介したいと思います。

「グリコラン」はこんな薬

排卵障害が原因の不妊症と一口に言ってもいろいろあって、グリコランの投与が進められるのは、「PCO」と呼ばれる症状が明らかになった時のみです。

PCOは日本語に訳すと「多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)」という疾患で、ある程度まで成熟し、排卵を待つ卵子が入った状態の卵胞が卵巣内にたくさんある症状になります。今、急増中の不妊原因の一つで、これを克服出来れば、日本の不妊患者は大幅に減少する事でしょう。

そこで脚光を浴びるようになったのがグリコランです。日本では1968年の発売以来、半世紀たった今でも多くの人が服用する信頼度の高いロングセラー薬品で、比較的副作用のリスクも低いところから、不妊治療にも導入されるようになりました。

ただし、グリコランは排卵誘発剤ではなく、血糖値を下げる薬で、元々2型糖尿病の薬です。ですが、インスリンの過剰分泌を抑えられる可能性は高いものと思われます。そうなると、がぜん興味が湧いて来るではありませんか。

というのも、多嚢胞性卵巣症候群の最大の原因は、インスリンの刺激による「アンドロゲン」という男性ホルモンの過剰分泌なのです。ようするに、本来は女性ホルモンのエストロゲンが多量に分泌され、卵胞が刺激されて破裂し、排卵するはずなのですが、それを上回る量のアンドロゲンが出て阻止しているのがPCO。そして、そのアストロ減の分泌を促すのがインスリンという訳で、ここに糖尿病との繋がりが出て来る訳です。



グリコランを進められるのはこんな人

糖尿病の薬と不妊治療の薬が同じだなんて、信じられないとおっしゃる方も多いかも知れませんが、元々インスリン自体、ホルモンの一種ですから、生殖器官に関与していても不思議ではない訳です。ただし、糖尿病の薬イコール、インスリンの分泌を促す薬だという固定観念があるとすれば、ここで思い切って捨てて下さい。そうしないと、益々不安が広がります。

そもそも糖尿病の薬と言っても、インスリンの分泌を促すものと、直接インスリンの代わりに血糖値を下げるものとがあって、グリコランは後者の薬品。「ビグアナイド剤」とよばれる種類の薬剤で、うまく作用すれば、インスリンの過剰分泌を抑えられるのです。

ですが、大事な事は、グリコランを導入するかどうかではなく、グリコランの投与を進められた事にあります。やはり不妊治療に糖尿病薬が用いられる事の重みを理解する事がポイントでしょう。

というのも、PCOは先天性の疾患ではありません。多くの女性が若いころには無関係で、20代前半は最も妊娠しやすい時期だと言われています。

しかし、加齢とともにストレスも貯まる。皮下脂肪も溜まる。そういう人生を送っておられる方は少なくありませんよねぇ。すると、それに反比例するように妊娠率は下がって行くのです。

つまり、疲れると甘い物を食べる。甘いものを食べると、血糖値を下げるためにインスリンが分泌されるという流れでPCOを発症して行く訳です。そこで、グリコランを服用する事で血糖値を下げ、インスリンの分泌を抑え、アンドロゲンの分泌も抑えようというのが不妊治療におけるグリコラン療法ですが、冷静に考えてみて下さい。

グリコランが効き目を発揮するという事は、すでに血糖値が高く、体内でインスリン分泌が活発に行われている事が明らかであると言っていいでしょう。となると、正に糖尿病予備軍で、実際、PCOによる不妊は、やや肥満気味の人に多く見られると言います。

ですので、グリコランの投与を進められた場合、日々の生活を見直し、食事の改善、運動量の増加など、やるべき不妊対策は沢山ある事に気が付く事が大切なのです。その上で、グリコランで一時的にアンドロゲンの過剰分泌を抑え、なるべく自然に排卵出来るように持ち込むのが理想だという事を知っておきましょう。

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グリコランは西洋薬、グリスリンは漢方薬

グリコランは医薬品、いわゆる西洋薬です。最もオーソドックスな糖尿病治療薬の一つで、多くの人が服用しています。ただし、西洋薬ですから、副作用は付きもので、そのリスクは21%と、中々油断大敵です。

主立った副作用としては、食欲不振や吐き気、下痢など、消化器系の不具合が中心で、まれに発疹や発熱が見られる事もあります。ただ、命に関わるような重篤な事態に陥るのは何十万人に1人いるかいないかで、特に日本での症例は殆どないところから、さほど神経質になる必要はないでしょう。とは言え、ベビ待ちの身には少々危険な事もありますので、少しでも異変に気付いた時には服用をストップし、主治医に報告する事が絶対です。

なお、グリコランは「日本新薬」という会社が出す先発薬で、「メトホルミン塩酸塩」というのが一般名です。今では「メデット錠」・「ネルビス錠」・「メトホルミン塩酸塩錠」といったジェネリック(後発薬)が存在します。いずれも有効成分は「メトホルミン」で、同等の効果効能と副作用のリスクを持っています。

ただし、同じようにインスリンに頼らず血糖値を下げる効果を持つ「グリスリン」は、マイタケから抽出したタンパク質を主成分とするもので、漢方や健康食品の位置付けになります。つまり、医薬品ではないという事で、サプリメントとしても多く市販されている訳です。

なので、どうしても薬に頼るのが不安だという方は、グリスリンから試してみられるのもありでしょう。実際、グリスリンは多くの産婦人科医も推奨する不妊サプリの一つで、積極的に治療の一環として組み込まれる事もあります。

ですが、いずれにせよ、日々の生活、特に食生活の見直しと適度な運動、そして、良質な睡眠の確保は必要不可欠で、それによりPCOを改善し、不妊症を克服する。それが一番大切なのです。



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