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体外受精(ivf)とは~その流れや方法・適応条件など

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体外受精(ivf)とは~その流れや方法・適応条件など

『体外受精(IVF)』とは、その名の通り、体外で精子と卵子を受精させる施術です。IVFとは英語の“In Vitro Fertilization”の略。不妊治療の中では、高度な技術を要する「高度生殖医療」に該当します。

ただし、顕微授精とは異なり、人工的に受精卵を作るものではありません。あくまでも精子と卵子の意思によって自然に受精させる方法で、「体外授精」という表記は誤りであると医師会は指摘しています。

そう、知っているようで知らないのが体外授精でしょう。そこで、体外授精の施術法と施術の流れ、どのようなカップルに適用されるのかをご紹介したいと思います。

体外授精の種類

先述の通り、IVFと呼ばれる事も多い体外授精ですが、その中には、「IVF-ET」・「IVF-BT」・「IVF-FET」の3種類があります。このET・BT・FETはそれぞれ、移植する胚の状態の違いを示しています。

そもそも体外授精は、専用容器の中で作った受精卵を女性の体内に戻し、支給に着床させて初めて成功となる施術です。つまり、受精卵を作るだけでは意味を持ちません。

そこで、採卵から受精卵を注入するところまでが一つの施術となっていて、この受精卵を入れる事を「胚移植」と言います。「胚」とは受精卵の事です。

通常、胚は精子が卵子の中に入り込んだ瞬間に作られ、細胞分裂を繰り返しながら徐々に成長して行きます。最初は 1つの細胞死か持たない胚ですが、2日目には4つの、3日目には8つの細胞を持ち、その後は急速に分裂して行きます。そして、それと同時に、分裂した細胞同士がくっつき、様々な部位を形成して行くのです。

そのため、「初期胚」と呼ばれる授精から3日目くらいまでの胚は、まだ何となく卵の形を保っていますが、4日目に入ると桑の実のような形の「そうじつはい)」となり、5日めには外細胞膜と内部細胞塊(ないぶさいぼうがい)を持つ「胚盤胞(はいばんほう)」と呼ばれる段階まで成長します。そうして、支給に辿り着き、着床し、妊娠成立となる訳です。

そこで昨今は、この胚盤胞「BT(Blastocyst Transfer)」を移植するIVF-BTが徐々に増えて来ました。ですが、一般的な体外授精は初期胚「ET(Embryo Transfer)」を移植する「IVF-ET」です。

ちなみに、IVF-FETは、初期胚を凍結保存した凍結胚「FET(Frozen Egg Transfer)」を移植するもので、最初のETやBTで妊娠しなかった場合でも、FETで妊娠する人は少なくありません。

体外授精の流れ

体外授精は大きく分けて4つ、「採卵&精子採取」・「受精」・「培養」・「移植」の段階があります。そのうち受精までは、ETでも、BTでも、FETでも同じです。

ただし、体外授精は排卵を促すのではなく、排卵を抑えるところから始まります。少々意外に思われる方も多いのですが、これは、排卵が早まり、採卵しそびれたり、未成熟な卵子ばかりを採取してしまうのを避けるためです。

そこで、生理開始日から点鼻薬を使って排卵を抑圧しますが、10日目くらいからは排卵誘発剤を併用し、卵胞の発育を促します。そうして卵胞が十分発育したところで採卵となる訳ですが、そのタイミングはひとそれぞれ。卵胞の発育が速ければ、排卵誘発剤投与語1日から2日で採卵出来る人もいれば、3日ほどかかる人もいます。

しかも、排卵誘発剤の投与後は、毎日超音波で卵胞の発育状況を観察しなければならず、こまめな来院が必要になる事を覚悟しておく必要があるでしょう。また、女性の採卵と平行して男性の精子採取も行われるため、夫婦で時間の余裕を作っておく事が大事です。

尚、採卵は、膣から器具を入れ、その先端に浸けられた針で切り取るように卵子を採取します。一度に複数の卵子を傷つける事なく採取するには太めの針が望ましいとされていますが、針が太くなればなるほど刺激は強く、痛みは大きくなります。けれど、今は麻酔を使ってくれる医療機関が多いので、その点の心配は殆どしなくていいと言えそうです。

一方、男性の精子は、遠心分離機にかけ、生き残った元気なものだけが使われます。当然、精子の数が多ければ多いほど成功率は上がります。

こうして採取された卵子と精子は早速、「シャーレ」と呼ばれる容器に入れられ、否が応にも授精しなければならない環境におかれるのです。そのお陰で、速ければ3時間くらい、遅くても12時間以内には複数の受精卵「胚」が出来る事になるでしょう。

後はETとBT、FETのいずれを選択するかによって培養液での培養機関と移植の日が決まります。初期胚を移植するETの場合は、2日から3日程度培養した後すぐに移植にはいりますが、胚盤胞を移植するBTになると、5日から6日培養し、その後に移植となる訳です。凍結胚を使うFETについてはもちろん、移植時期の限定はありません。

ちなみに、移植は膣からカテーテルを入れて胚を子宮に送り込む方法が取られますが、痛みを感じる人は極めて少ないでしょう。また、移植後も、無理をしない程度に普通の生活が出来ます。ただし、より着床率を上げるための手段として、ホルモン補充が指示される事があります。

体外授精が検討されるケース

体外授精は高度不妊治療であるため、誰でもが受けられるというものではありません。まずは一般不妊治療のタイミング法から人工授精までを一通り何度か験し、それでも結果が出なかった場合にのみ、ステップアップするという形で検討されるものです。ただし、最初からそうした自然に近い妊娠が難しいと診断されれば、いきなり人工授精でという事があります。

例えば、女性に卵管閉塞症や子宮内膜症で卵子を卵管に運べない、あるいは、抗精子抗体があって精子が排除されてしまうなどの疾患があれば、明らかに自然妊娠は困難な訳です。また、男性の精子が少なかったり、虚弱体質だと、膣から入り、様々な難関を乗り越えて卵子の元に辿り着けるものがいなくなり、妊娠は難しくなってしまいます。けれど、体外授精でなら、そうした問題をクリアし、妊娠する事が可能になるという訳です。

さらに、加齢とともに卵子の質は落ちるため、30代後半になると、毎月不特定に排卵されるたった1つの卵子に夢を託すのは厳しい状況になります。そこで、そうした年齢を考慮し、特に不妊の要因となる疾患が見られなくても、早期に体外授精が検討される事もしばしばです。

実際問題、良質な卵子と精子があれば断然優位なのが体外授精で、若ければ若いほど成功率はあがります。事実、30代前半では40パーセントを誇る体外授精での妊娠率ですが、40代に入ると10パーセント程度にまで下がってしまうのです。不妊治療から出産まで、肉体的な負担も大きくなりますので、もし、経済的に許されるのであれば、選択肢に上がると同時にトライされてみられてもいいのではないでしょうか?

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