このページの先頭です

妊娠と肥満の関係性~どの様なリスクがあるの?

322views

投稿日:

妊娠と肥満の関係性~どの様なリスクがあるの?

肥満も風邪と似たようなもので、立派な病気であると言っていいでしょう。しかも、風邪は万病の元、肥満も万病の元です。

事実、肥満症になると、糖尿病や高血圧、心疾患といった成人病のリスクが急速に高まります。これらは、妊婦にとっては強敵なのです。

なぜなら、たとえ妊娠前は正常な血糖値や血圧を維持していても、予備軍であるため、妊娠すると上昇する可能性は低くありません。結果、母胎や胎児に大きなダメージを与える事になるからです。

しかも、それ以前に、まず、肥満だと妊娠しにくいという現実があります。さらに、無事妊娠成立となっても、出産までのリスクの高さから、必ず減量するように医師から指示されるでしょう。それでももし、ダイエットに成功出来なければ、受け入れてくれる産科が限られ、母子ともに命がけの難産が待ち構えているのです。

肥満だと妊娠しにくいってホント?

婚活の次は妊活、それが王道となりつつある昨今、不妊治療を受ける人の数は年々着実に増加しています。そんな中、肥満が原因になっていそうなベビ待ちさんも少なくないと言うから困ったものです。

実際、近年の不妊症の要因として目立ち始めているのが「多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)」、通称“PCOS”と呼ばれる症状です。これは、卵胞の中で十分卵子が発育出来ず、排卵出来ないまま卵胞ごと卵巣に残されて行く病気ですが、何故、そのような自然の原理に反するような事が起きるのでしょうか?

もちろん、その原因は様々ありますが、一つとして、「アディポネクチン」不足が考えられます。アディポネクチンとは、脂肪細胞から分泌されるタンパク質の一種で、様々な役割を持っています。中でも女性にとって非常に重要なのが、卵巣表皮の柔軟性を保つ任務です。もし、アディポネクチンが不足すると、卵巣表面が堅くなり、卵子の成長や排卵に多大なる不具合を生じる事になります。

でも、アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるんだから、太っている方が豊富に得られるんじゃないのかなぁ? そう思われるかも知れませんが、これがとんでもない間違い。

こうした良質なタンパク質の多くは、私たち人間のピンチを救うために機能します。そのため、脂肪組織が大きくなればなるほど、分泌量は減るのです。

さらに、アディポネクチンには中性脂肪を燃焼させる作用もありますから、分泌量が減少すれば、脂肪は増加します。益々太り、不妊は深刻化して行く訳です。

肥満だと妊娠継続が厳しいってほんと?

肥満の女性の特徴の一つとして、血流が悪く、冷えやむくみに苦しめられやすい事が上げられます。また、便秘症の人も多いですね。

これらは特に妊婦には辛く、胎児の発育への悪影響も危惧されます。さらに、不妊や流産、早産の引き金にもなりかねない不調ですが、そうしたトラブルからママと赤ちゃんを守ってくれる強い味方、それがアディポネクチンです。

なぜなら、アディポネクチンはいわゆる「善玉コレステロール」。血液をさらさらにし、血流を促してくれます。それにより、冷えやむくみが軽減され、便秘も改善されるという訳です。

さらに、綺麗な血液が全身を巡る事により、動脈硬化を抑制し、高血圧を防ぐ事が可能になります。実は、妊婦にとっては、この血圧の管理が非常に重要で、下手をすると「妊娠高血圧症候群」となり、母子ともに命の危機にさらされる事もしばしばです。

妊娠高血圧症候群というのは、以前は「妊娠中毒症」と呼ばれ、流産や早産の最も多い原因でした。もちろん、呼び名が変わった今も、その状況に変わりはありません。

加えてもう一つ、アディポネクチンにはインスリンの感受性を高める作用もあり、不足すると、糖尿病のリスクも高まります。元々35歳以上の高齢出産には、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を発症する人が多く、肥満でアディポネクチンが不足していると、それを促進する事になってしまうのです。

因みに、35歳以上で肥満の妊婦さんの場合、約1割は妊娠高血圧症候群か妊娠糖尿病を発症すると言われていますから、いかにアディポネクチンが重要かという事がお分かり頂ける事でしょう。そして、アディポネクチンの分泌を損なわないようにするためには、体重管理は大切だと言えます。

肥満だと難産になるってホント?

肥満だと、不妊になりやすく、妊娠しても、その継続が困難になります。さらに、もし、そのまま大事にいたらずに無事に妊娠ライフを乗り切ったとしても、太っていると、その先には難産という脅威が待ち受けているのです。

実際問題、重度の高血圧症や糖尿病、そして、心疾患があると、かなりの重労働となる自然分娩はリスクが高く、帝王切開が選択されます。ですが、こうした疾患が出ていなくても、下腹部の皮下脂肪が多いと、子宮の周りや産道が強硬で伸縮する事が難しく、陣痛が弱い、間隔が長いのに継続時間が短いという陣痛異常になるケースが圧倒的多数だと言っていいでしょう。

ではでは、肥満妊婦さんの場合、どのような出産になるのでしょうか?もちろん、可能な限り膣分娩で、それも、極力自然分娩でという話にはなります。

しかし、やっぱりどうしてもおなかのお肉は邪魔。ただですらも狭い参道が肉厚で強硬な壁面に覆われているのです。そこを回転子ながら通り抜けるのは、赤ちゃんにとっては命がけの旅になります。

実際、分娩が長引くと、赤ちゃんは低酸素状態となり、非常に危険です。とにかく一刻も早くママの体外に出して上げなければなりません。

そこで、まずは腹部を押さえて押し出す事が試みられますが、それでも難航するようなら強攻策が採られます。それが「吸引分娩」や「鉗子分娩」です。

吸引分娩は、シリコン製のカップを赤ちゃんの頭に被せ、吸盤の要領で吸い出す方法。鉗子分娩は、「鉗子(かんし)」と呼ばれる金属製のトングのような危惧で赤ちゃんの頭をはさみ、力ずくで引き出す方法です。

どちらも、胎児に大きな傷や後遺症が残る事はないとは言われていますが、赤ちゃんにしてみれば人生最初の試練。とんでもない災難です。

しかも、これらはもはや「介助分娩」となり、自然分娩とは言えません。母胎にも、危惧を使用する事により、子宮頸管や腟、外陰部などが裂ける「軟産道損傷」のリスクが付帯します。

それでもまだ、この程度で終われば幸運で、さらに長引くようなら帝王切開になるでしょう。また、生まれて来た赤ちゃんがすでに低酸素状態に陥っていた場合、頭蓋内出血や硬膜下血腫を発症している可能性が低くありません。そうなると、重い障害が残る事も珍しくないのです。

こうした事を考えると、やはり肥満は妊婦の大敵です。中には、妊娠前はスリムだったのに、妊娠中に急激に太るという人も多いので要注意。

つわりが落ち着くと、食欲旺盛になりがちで、妊娠が進むに連れ、運動不足にもなりがちですが、妊娠から出産のリスクを少しでも軽減するためには、妊活中以上に、バランスのいい食生活と適度な運動を心がける事が大切です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です