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無精子症とは~症状や原因・その治療方法を徹底解説!

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無精子症とは~症状や原因・その治療方法を徹底解説!

不妊症と言えば女性の病気、不妊治療を受けるのは女性という考え方は、現代社会においては大間違いです。実際、子供が欲しいと思いながらも、子供が出来ないカップルの大半は、夫婦で検査を受けられています。

中には、“俺はあくまでも妻の付き添い!”と見栄を張る男性もいらっしゃるようですが、それでも検査を受ける事が大事なのですから、この際、そんな強がりも笑って認めて上げましょう。面白い事に、そういう事を言っている人ほど、自分に不妊の原因がある事が多いのです。

事実、俳優やタレントとしても活躍するロック歌手のダイヤモンド・ユカイ氏などは、その代表格。不妊検査を受けたいという奥さんの付き添いでクリニックを受診し、ついでに精子検査を受けたところ、“精子0!”の宣告を受けました。『無精子症』です。

実は、不妊に悩むカップルのうち、半分は男性に原因があるという事で、今や不妊治療の世界も男女平等です。そして、中でも最も多いのが「乏精子症」と「無精子症」で、トータルすると、100人に1人は疑いありだと言うではありませんか。

『無精子症』と『乏精子症』

不妊は女性の病気とは限っていません。男性不妊というのも実にポピュラーな病気で、今では100人に数人は性交渉しても、ある意味、安心安全という男性が紛れ混んでいると見られます。中でも、最も多い男性不妊が精液中に精子がない、もしくは、精子の数が少ないという症状です。

健康な男性が1回の性交渉で射精する精液の量は2mlから5mlで、その中には、最低でも1億匹の精子が入っていると言われています。しかし、1mlあたり1500万匹以下という精子密度の低い精液も少なくありません。

これでは、たとえマックス5ml発射しても、精子の総数は7500万匹という事で、完全に精子不足です。そこで、こうした状態を「乏精子症」と呼び、不妊の要因となりかねないと重要視されているのです。

ところが、世の中には上には上があるもので、5mlの精液があっても、精子数0という人が大勢言います。いわゆる『無精子症』です。

こうなると、どんなに気の強い男性でも、もはや具の根も出ない状態。流石に皆さん、大きなショックを受けられると言います。確かに、男である事を否定されているようなものですから、傷つかない方がおかしいでしょう。

けれど、無精子症と一口に言っても、いろいろあって、実際に睾丸を切り開いて見てみると、精子が多量に貯蔵されている人も少なくありません。そうなると、その貯蔵庫から射精の際に精液を作る場所まで精子を送り込む管のどこかが詰まっているために、精子入りの精液が作られないものと思われます。

つまり、知らず知らずの間にパイプカットされてしまったような状態です。そこで、このような状態を「閉塞性無精子症」と呼んでいます。

ですが、やはり無精子症になると、精巣の中を見ても、本当に精子がいない。あるいは、未熟で見るからに虚弱体質な精子や、立派な体格はしていても尻尾のない精子ばかりという人もいます。

この場合、やはり疑わしいのは精子製造能力。むしろ、輸送工程には何ら問題はない「非閉塞性無精子症」という事になります。

「閉塞性無精子症の原因と治療法

男性不妊の最もオーソドックスな疾患とも言える『無精子症』と『乏精子症』。あまりにもそのものズバリの呼称で、そこまではっきり言わなくてもという気もしますが、正に子種がない、少ないという状態なのです。

ベビ待ちするのなら、重要視せざるを得ません。男なら、いじいじせず、原因をしっかりと突き止め、治療する事が大切です。

特に閉塞性無精子症の場合は、比較的容易に原因追及が出来ます。特に、過去に尿感染症や性感染症にかかった記憶のある人は要注意。また、子供の頃に鼠径ヘルニアの手術を受けた事があれば、その時以来、ずっと詰まっているのかも知れません。

実際問題、無精子症や乏精子症であっても、全く普通に性交渉し、濃厚な精液が発射される事はしばしばです。というのも、精液を構成しているのは前立腺液と精嚢分泌液の2つの液体で、精子は単に、その中に入れられているだけのもの。コーンスープの中の粒コーンのような存在です。

そのため、前立腺液と性能分泌液の割合によって色や粘り気、匂いは都度違って来ますが、そこは毎回の手作りの良さと言ったところで、気分や体調で決まります。精子の数で決まるものではなく、泌尿器科や産婦人科で精液検査を受けない限り、無精子症や乏精子症は容易に見抜けないのです。

何しろ、精子は精巣から直接精液に放り込まれる訳ではありません。小葉(しょうよう)という精巣内の小部屋で製造された精子たちは、最初に精巣上体(せいそうじょうたい)という貯蔵庫に入れられ、そこから精巣状態間→精管経由で射精管に送り込まれます。そして、そこで精液と混じり合い、尿道に送られて、いざ、発射です。

つまり、精巣状態間から射精管までのどこかが詰まっていると、精子は精液に入り混む事が出来ません。その結果、無精子状態の精液が射精される訳です。

特に、一旦腹部に出て、膀胱の裏側をぐるりと回っている精管は、距離が長いのにも拘わらず、極細の筋肉組織で、その蠕動運動により、精子を射精管に送り出しています。そのため、外傷などでその蠕動運動が不具合を来すと、精子輸送の機能が果たせなくなってしまうのです。

けれど、閉塞性無精子症の場合は、詰まっている部位が分かれば、「精路再建手術」と呼ばれる外科的手術で治療可能です。外科的手術と言っても、顕微鏡下精管吻合術と呼ばれるもので、顕微鏡を見ながら異常部位を切除し、正常部位とつなぎ合わせるもの。

多くの泌尿器科で受けられる日帰り手術です。パイプカットし、一度は避妊の身になったものの、再び妊娠可能な身になりたいという場合にも用いられます。もちろん、閉塞性無精子症であっても、術後は自然妊娠が可能です。

非閉塞性無精子症の原因と治療

実はダイヤモンド・ユカイ氏の無精子症は閉塞性でした。つまり、精子の製造は行われるものの、その輸送ルートに障害があって精液に入れられないという形です。当然、精路再建手術で治療するほかありません。

けれど、彼は精路再建手術を受けませんでした。なぜなら、夫婦ともに再婚で、お互い、ミドルエイジに達していたからです。

確かに、男性はいくつになっても現役。70歳を過ぎてパパになる人も大勢います。

けれど、女性はそうは行きません。35歳を過ぎると高齢出産となり、リスクは高まります。それを考えると、1日も早く妊娠する必要があったのです。

ところが、仮に精路再建手術で自然妊娠が可能になるとしても、正常な射精が出来るようになるには1年以上の月日がかかります。そう、手術そのものは簡単で、日帰りで出来ても、すぐに完全復活とは行かないのです。

そこで彼が選んだのが、“TESE”と呼ばれる「精巣内精子採取術」。これは、陰嚢を1cmほど切開し、精巣内から直接新鮮な精子を採取する方法です。

何だか痛そうですが、実際にはそれほどでもなく、日帰りで出来る手術。しかも、精子が正常に製造されている閉塞性無精子症の場合、いくらでも採取する事が出来ます。

さらに、閉塞性無精子症でも、「MD‐TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)」と呼ばれる手法で、精細管と呼ばれる組織を採取し、必死になって探せば、最低でも1匹、うまく行けば数匹の精子を確保する事が出来るのです。それにより、顕微授精で受精卵を培養出来れば、妊娠成立となる可能性が十分あると言えます。

しかも、一般的には、いくら精子が見付かっても、運動能力がまるきりない奇形精子では使い物にならず、本当に精子0なら、体外受精は不可能だとされていますが、今はその限りではありません。なんと、精巣の中にある「円形精子細胞」さえ採取出来れば、それを顕微授精で卵子に注入し、授精させる事が出来るのです。

この方法を「円形精子細胞卵子内注入」、英語のRound Spermatid Injectionを略して“ROSI”と呼びます。円形精子細胞は尻尾をもたないため、自力で動く事は出来ませんが、精子の原型とも言えるもので、遺伝学的に健全な精子と同様の生殖遺伝能力を持っているというではありませんか。

そこで、それを卵子に移植する事で、人工的に活性化してやる必要はありますが、かなりの高確率で受精卵を作る事が出来ます。正しく高度不妊治療ではありますが、従来の顕微授精と難易度的な大差はありません。

ただ、今のところ、この施術が受けられる医療機関はごくごく限られています。そのため、非閉塞性の無精子症の場合、その大半が、妊娠を諦めるか、精子バンクから精子提供を受け、「非配偶者間人工授精」を行うかという究極の選択を迫られる人も多いようです。

確かに、非閉塞性無精子症は基本的に先天性のもので、その原因が不明確。特に精巣の造精機能に異常がある場合は、治療法がないのが現状でしょう。

けれど、ホルモンバランスの乱れから無精子症になっているケースもあって、その場合は、ホルモン治療で改善される事もあります。また、近ごろでは、過度のストレスや喫煙・飲酒などにより、精子製造に支障を来している事もあると言いますから、必ずしも先天性とは言い切れなくなっているようです。

そうなると、生活習慣を見直す事で状況が良くなり、先のMD-TESEによる顕微授精が可能になる事も考えられます。そして、切り札と言われるROSIもあるのです。

実は昨今、乏精子症や無精子症が急増していると言われるのには、れっきとした理由があります。何も、こうした病気は現代病ではありません。

大昔から、立派な武士や旧家の主でも、子だからに恵まれない事は多々ありました。ただ、昔は、男性が不妊症検査を受ける事がなかったために、発覚しなかっただけです。
でも、今は違います。気軽に検査を受け、治療を受ける事で、父親になる事はいくらでも可能になりました。ただ、気が付かないまま性交渉を続けていても、永遠にパパにはなれないでしょう。

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