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ifce(子宮内膜再生術)って一体何?対象になる方やメリット・デメリット

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ifce(子宮内膜再生術)のメリット・デメリット

日々進化する不妊治療の世界。そのお陰で、今や40人に1人は体外授精ベビーだと言われていますが、そんな体外授精において、新たな技術が注目を集めています。それが『子宮内膜再生術』、通称“IFCE”です。

再生術と言う以上、異常を来した子宮内膜を正常にするもので、それなら納得。妊娠率がアップする事間違いなしでしょうと思われるでしょう? でも、それが違うんです。もちろん、ポリープのある異常な子宮内膜を切除する事もありますが、正常な子宮内膜をわざわざ傷つける事もあるんです。

ところが、それによって妊娠率が3倍にもなると言うからビックリです。このIFCEを発明した医療機関では、予約の取れない施術になっていると言うではありませんか。

そこで今回は、そんなIFCE、子宮内膜再生術についてご紹介したいと思います。聞けばなるほど、体外授精の決断とともに検討したくなる事でしょう。

妊娠の妨げとなる着床障害

男性から採取した精子と女性から採取した卵子を専用の容器で受精させ、ある程度培養した後、女性の子宮に入れて着床し、妊娠成立となるのを待つのが「体外授精」です。この時作られる受精卵を「胚(はい)」と呼び、早い段階で子宮に入れるのを「初期胚移植(ET)」、胚盤胞(はいばんほう)と呼ばれる赤ちゃんの袋が出来た段階まで培養してから子宮に入れるのを「胚盤胞移植(BT)」と言います。

以前は体外授精イコールETでしたが、培養技術の進んだ今、BTが着実に増加していると言っていいでしょう。というのも、元々卵管内の膨大部で作られる胚は、100時間以上かけて胚盤胞まで成長し、そこで子宮内に到着して子宮内膜に着床するからです。

つまり、自然妊娠の場合、受精卵は胚盤胞という着床に適した段階で子宮に入って来る訳で、それと同じ状況に持ち込めるのが胚盤胞移植なのです。当然、着床率は上がり、妊娠・出産率も上がりますから、選択される方が多いのも納得出来るところでしょう。

しかし、こうした技術が用いられるようになった今でも、体外授精や顕微授精の成功率が急激に伸びないという現実があります。何故なら、「着床障害」という疾患が存在するからです。

疾患と言っても、実際には病気ではなく、体質や体内環境が妊娠にそぐわないというだけの場合も多いのですが、不妊に悩む人にとっては致命的ともいえる状況です。受精卵がうまく着床出来ない、あるいは、一旦着床しても定着出来ず、最終的には流産してしまうという事で、自然妊娠はもちろん、体外授精でも妊娠困難になってしまうのです。

ただし、着床障害の多くは、「子宮内膜炎」や子宮内膜にポリープが出来ていると言った本当の病気を抱えている事がしばしばです。そこで、手術でポリープを切除したり、内服薬で炎症を鎮める事によって妊娠可能になります。

ところが、0.1ミリや0.2ミリという小さな子宮内膜のポリープは超音波検査では中々発見する事が出来ません。しかも、良性の腫瘍ですから、健康状態に特に支障を来す事もなく、多くの人は無視しています。

けれど、自らが0.1ミリほどの受精卵にとっては大きな障害物。それがあるがために着床出来なくなってしまう事はしばしばです。

また、ごく軽度の子宮内膜炎があっても同じで、母胎の日常生活には問題がなくても、受精卵が定着し、発育する環境としては良くないでしょう。結果、妊娠成立出来ないという訳です。

さらに、そうした疾患が全く見られない場合でも、意味なく受精卵が着床出来ないケースは珍しくありません。ですが、そればかりは相性の問題ですから、対処のしようがないのが現実です。

そこで考え出されたのが『子宮内膜再生術』。英語のIntrauterine Fiberscope & Curettage of the Endometriumを略して“IFCE”と呼ばれています。

新たな不妊治療「子宮内膜再生術」とは?

IFCEこと『子宮内膜再生術』は、超音波検査では着床障害となる疾患が見当たらないのにも関わらず、何度胚移植や胚盤胞移植をしても着床せず、妊娠が成立しない着床不全にたいして用いられる着床補助技術です。

IFCEのI「Intrauterine」とは子宮内という意味で、FはFiberscope「ファイバースコープ」、CはCurettage「医療技術」、EはEndometrium「子宮内膜」。つまり、子宮内部及び子宮内膜の状態をファイバースコープを使って観察したり改善する医術という訳です。従って、日本語では「子宮内膜再生術」と呼ばれていますが、基本的には一歩踏み込んだ子宮内の検査だと思っていいでしょう。

実際、まず最初にやる事は、子宮内膜を綿棒でこすって組織を採取し、後で細菌感染による炎症等がないかを調べます。この検査を「子宮内腔細菌培養」と呼び、これにより、それまで静かに潜んでいた子宮内膜炎などの病気が発覚する事があるのです。

次にファイバースコープ、ここでは子宮鏡と呼ばれる専用の腹腔鏡を使い、子宮の中の様子を観察します。特に子宮内膜に重点をおいて見る事により、超音波では分からなかった小さなポリープもかなりの高確率で発見する事が出来ます。

特にこのファイバースコープによる子宮内膜のポリープの発見は重要で、見付かれば早速切除されます。なんと、切除すると、その後の着床率は急激に上昇し、たちまち不妊症奪回という人も少なくありません。

しかも、これまでは子宮内膜のポリープ切除というと、専用の器具でひっかくようにして除去する「子宮内膜掻爬術」が主流でした。内部を見ながらの手術が出来ないため、切除部位はドクターの感任せ。取り残しを避けるため、広めに厚めに子宮内膜を切除する事になり、術後の妊娠率は若干上がるレベルでした。

でも、ファイバースコープを使うと、子宮内の様子を見ながら手術出来ます。そのお陰で、より正確に、より確実にポリープのみを切り取る事が出来るのです。すると、その時に出来た傷口に受精卵が着床出来るという驚きの結果が現れたではありませんか。

そこで考え出されたのがIFCEの最大の特徴と言える「キュレット」を使った子宮内膜再生術です。キュレットとは先端に小さな刃のついた医療器具で、元々は歯医者さんが歯石を取る時に使うマシーンでした。しかし、それを改良し、子宮内膜をほんの僅か切り取るのに相応しい専用器具を開発したのです。

子宮内膜再生術のメリット・デメリット

子宮内膜のポリープがなくなると、受精卵は障害物に邪魔される事なく着床する事が出来ます。しかも、切除の際に出来た傷口、そこに着床すれば、うまくはまり込み、安定性を得る事が出来るではありませんか。そう、そこに目を付けたのがキュレットを使った子宮内膜再生術です。

確かに、分厚くて綺麗な胃子宮内膜は、全体がなだらかで定着しにくく、ふかふかしすぎているために何となく落ち着かない。そんな受精卵も多いものと思われます。でも、そこに、ちょこんと入り込める穴ぼこが一つあれば固定されます。
ならば、その穴ぼこを作って上げましょうというのがIFCEによる大きな目的の一つなのです。

子宮内膜を切り取ると言っても、現実には本の僅か剥がすだけですが、それにより着床率が上がる事は間違いなく、新たな不妊治療として大きな注目を集めています。恐らく、話を聞いただけでも、多くの方が試みたいと思われた事でしょう。

ただ、特殊な器具と技術を必要とするため、今のところ、導入している医療機関はごく僅かです。また、対象となるのも、グレードの高い良質な胚を3回以上移植したのにも関わらず、未だ妊娠にいたらない人とされています。

ちなみに、検査自体は1時間もあれば十分。もちろん、日帰りで受けられます。膣からファイバースコープを入れ、綿棒で子宮内膜をこすったり、キュレットで切除したりするので、多少の痛みや違和感はありますが、決して肉体的負担の大きな施術ではありません。

また、子宮内膜炎やポリープなどの疾患が見付からなかった場合には、次の生理周期に合わせて胚移植が検討出来ます。その際、キュレットで傷つけた部位に着床させ、安定させる事が望めるという訳です。

ただし、この検査によって、約3割が子宮内膜炎やポリープを持っている事が判明すると言われています。もちろん、その場合には治療優先となりますが、その後の妊娠率は3倍以上に跳ね上がるので、検査を受ける価値は十分あると言えるでしょう。

ですが、最大のデメリットが、IFCEを実施している医療機関が極めて少ない事。元々大阪に本拠地を構える「オーク住吉産婦人科」が編み出した技術で、今のところ、その系列のクリニックくらいしか、本格的に実施されていません。そのため、大阪と東京で数カ所というのが実態です。

また、費用も3万2,000円と、高度不妊治療としては安価に見えますが、実際にはそれまでに体外授精で数回の移植を受けなければなりませんから、50万近くかかる事になるでしょう。

という事で、まだまだメリットと同じくらいデメリットの大きな施術、それが、IFCE「子宮内膜再生術」です。一日も早く普及してもらいたいものですね。

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